オールドレンズについて

オールドレンズについて

最近カメラ界隈でアツいワードといえば「オールドレンズ」が一つ上げられるでしょう。
そもそもオールドレンズとは何なのか?というところからお話をしていきます。

目次

オールドレンズとは

なんともあいまいな定義で申し訳ないのですが「昔のレンズ」ということになるでしょうか…(笑)
昔の定義もあいまいですからこれは完全に主観になりますが、フィルムカメラ時代のレンズがオールドレンズ、という考えでよろしいかと思います。

オールドレンズの魅力とは

オールドレンズってよく聞くけど何がいいの?
という声をよく聞きます。
私が思うオールドレンズの魅力を三つほどお伝えします!

独特の描写力

オールドレンズは名前の通り昔のレンズですから、現代の高性能なレンズと比べて光学設計が古かったり、コーティングも古いものだったりしますので、例えば
逆光の際に被写体のコントラストが極端に落ちてふんわりとした描写になったり
ゴーストやフレアと呼ばれる独特の光が表れたり
背景のボケがぐるぐるしたりざわざわしたり
など、現在設計されているレンズでは当然のように補正されているいわゆる「クセ」が表れやすくなっているのです。(専門用語では「収差」といいます)
このクセが、現代では補正されているために「良く写りすぎる」レンズに対して写真に独特の味付けをできることから、静止画はもちろんですが動画の分野でも注目が集まっています。

価格が安い

オールドレンズの中にはかつてカメラのキットレンズとして販売されていたものや、現代でいう撒き餌レンズのように安価に販売されていたレンズでも上述のようなクセを持ったものが多く存在します。
そのため、現在の中古市場においても数千円で購入できるものも多く、手軽にレンズを生やす…いや購入することができるので、様々なレンズを気軽に使うことができるのです。
現行レンズは高くて手が出ない…という人も、オールドレンズならせっかくのレンズ交換式カメラを存分に楽しむことができるでしょう!

マニュアルで撮影する楽しみ

オールドレンズはマウントアダプタというものを使用してボディに接続をします。
そのため、多くの機能は制限を受けます。
オートフォーカスはもちろん、各露出オート機能も制限を受けますので「自分で操作する楽しみ」を感じることができます。
また現代ではミラーレスカメラでオールドレンズを使用することがほとんどですから、撮影結果をファインダーや背面液晶によってリアルタイムで確認できることも気軽に始められる要因の一つになるでしょう。

オールドレンズってどうやって使うの?

さてそんなオールドレンズ。
どうやって使えばいいの?という疑問にお答えします。

必要なもの

ミラーレスカメラ(一部デジタル一眼レフカメラでも可)
オールドレンズ
マウントアダプタ

の三つです。

ミラーレスカメラ

まずミラーレスカメラですが、基本的にミラーレスカメラと呼ばれるカメラであればどんなものでも構いません。
とはいったものの、ミラーレスカメラにもセンサーサイズというものがあり、これによって使う画角に違いが出てしまいます。
「フルサイズ」と呼ばれるものがいわゆるフィルムと同じサイズのセンサーサイズですから、レンズを本来の画角(例:35mmのレンズを35mmで使う)で使うためにはこのフルサイズセンサー搭載のミラーレスカメラを使用する必要があります。
以下に各センサーサイズにレンズを装着して、フルサイズ相当の画角にした場合の違いを書いておきますので参考にしてください

例:50mmのレンズを使用した場合の実際に写る画角
フルサイズ 50mm(等倍)
APS-C   約75mm(キヤノンは1.6倍、その他各社は1.5倍)
マイクロフォーサーズ 100mm(2倍)
1インチセンサー 136mm(2.72倍)
ラージフォーマット 40mm(0.8倍) ※センサーサイズ44x33mmの場合

センサーサイズが大きいほどボディの価格も高くなっていきますから、以上も参考にしつつ、ボディ購入の参考になさってください。

オールドレンズ

オールドレンズを使うにあたって覚えなければならないのは、各マウントに対する理解です。
昔は本当に多種多様なマウントがありましたからすべてを書くことはできませんが、比較的後述のマウントアダプタが豊富なマウントをご紹介します。

M42マウント

言わずと知れたオールドレンズの定番です。
よく話題に上るスーパータクマーもこちらのマウントです。
もともとはプラクチカと呼ばれるカメラのマウントでしたが、世界各国のカメラメーカーが採用してレンズを作ったことから選択肢が豊富でまさにオールドレンズ入門にはうってつけのマウントです。

L39マウント

こちらはライカが採用していたスクリューマウントで、こちらも各国のメーカーが採用したことから多くのレンズが今も中古市場に流通しています。

Mマウント

こちらもライカが採用しているもので、現在も本家ライカが採用しているほか、フォクトレンダーなどのサードパーティ製のレンズも流通があります。

Nikon Fマウント

こちらはNikonが採用していたマウントで、2024年現在でも現行で製品が作られていますが、初期のNIKKOR-AutoレンズやNEW NIKKOR、Ai NIKKORレンズには銘玉が多く、流通量も多いため、こちらも入門には最適ですね。
レンズのグリスが切れているレンズが多いのでその点は注意が必要です。

FD、New FDマウント

こちらはキヤノンがかつて採用していたマウントです。
こちらも隠れた銘玉が多く、気に入ったレンズを見つければずっと使い続けたくなるような完成度の高さが魅力ですね。

OLYMPUS OM、Fマウント

OLYMPUSのOMシリーズと、PEN Fシリーズに使用されたレンズです。
小型軽量で優秀な写りのレンズが多く、OMマウントは中古市場でも安価な商品が多いですね。
こちらはマウントの仕組みが少し複雑ですのでマウントアダプタが高価な印象です。

PENTAX Kマウント

PENTAXが現在まで一眼レフカメラのマウントに採用し続けているKマウントも歴史が長く、たくさんのレンズの選択肢があり、比較的安価なことからこちらも入門におすすめと言えますね。

ほかにも本当にたくさんのマウントがありますが、きりがないので主だったメーカーをご紹介しました。

マウントアダプタ

マウントアダプタは、レンズとカメラボディをつなぐスペーサーの役割を担っており、レンズ側のマウントとボディ側のマウントを一致させるように選びましょう。
例えばお持ちのカメラがSonyのEマウント、M42マウントのスーパータクマー55mm F1.8レンズを使いたい場合は

レンズ側 M42マウント
ボディ側 Eマウント

を選びましょう。
マウントアダプタを作っている会社は複数ありますが
K&F Comcept、SHOTEN、RAYQUAL
など古くからマウントアダプタを製作している会社のものを使用していれば問題はないかと思います。

以上ざっくりとですがオールドレンズについて書かせていただきました。

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