時々、買い取らないカメラ屋です

先日、ある方がカメラの買い取りに来られました。

動作も問題ない。
外観もそれなりに綺麗。

「私が初めて買ったカメラなんです。」

長いこと一緒に使ってきたカメラ。

当然ながら、査定額にもある程度の期待があったのかな、と推察します。

ただ、こちらとして提示できる金額には限界があります。

中古カメラ店は、買い取ったものを再販し、店を続けていかなければいけません。

そのまま販売できるものもあれば、整備が必要なカメラもあります。

市場相場
状態
整備費用を含めた経費
再販価格

こういったものを考慮した、現実的なラインがどうしてもあります。

もちろん、無理をすれば買い取って再販しても利益自体は出せる金額でした。

でも、その方の話を聞いていると、

「まだ手放すタイミングじゃないのかもしれない」

そう思ったんです。

だから、こんな提案をしました。

「まだ使ってみたらどうですか?」

小さなカメラでした。(画像はイメージです)

目次

買い取り額がすべてではないと思う

状態としてはまだ動くカメラでした。

当然、完調とは言えないまでも、写真は撮れる。そんな状態。

うちにはフィルムもありますし、現像もできます。

だったら、無理に身を切るような思いをして売却するより、もう少し付き合ってみてもいいんじゃない?

そう思ったんです。

私自身、長く使ったカメラを手放した経験があります。

やっぱり辛いんですよね…。

そして、思い入れのあるものに思ったほど金額がつかないというのは、悔しいし、悲しい。

めっちゃ理解できるんです。

ただ、これは商売としての買取。

感情だけで金額は決められません。

でも、だからこそ。

「まだ使ってみる」

という選択肢があってもいいと思っています。

その方は、

「そうですね。また写真撮ってみます。」

と言って、カメラを持って帰られました。

後日、そのカメラで撮った写真を見せてくれたら嬉しいな、なんて勝手に思っています。


遺品整理で来たカメラと、流氷の写真

別のケース。

その方は、遺品整理でカメラを持ってこられました。

30台くらいあったかなぁ。

かなりの量でした。

お話を聞いていると、

「どれか一台くらいは残したいんだよね。」

ということでした。

だったら、せっかくなら飾るだけじゃなく、写真を撮ってほしい。

そう思って、まだ十分使える状態のカメラを一台、お返ししました。

他のものはお買い取りをさせていただいたんですが、その一台だけはぜひ使ってください、と。

後日、その方は写真を見せてくださいました。

お父さんが生前見たかった、流氷の写真。

ああ、写真ってこういうことだよな。

カメラって、やっぱり素敵なものだな。

そう思い、胸が熱くなりました。


中古カメラ店は、綺麗事だけでは続かない

当然ながら、中古カメラ店は買い取りがなければ成り立ちません。

買い取って、整備して、販売して、利益を出して。

それを繰り返しながら店を続けています。

私も生活をしていかなければいけません。

それはとても現実的な話です。

そして最近の北海道、札幌では、カメラ屋さんが本当に少なくなりました。

  • 中古カメラを買える場所
  • フィルムを買える場所
  • 現像に出せる場所
  • 修理を相談できる場所

そういった選択肢が、少しずつ減っています。

そんな中で店を始めた以上、私はやっぱり続けなければいけないと思っています。

商売を続けなければ、文化も続かない。

これは綺麗事ではなく、現実として。

勝手な使命感かもしれないけれど。


もし、売ろうと思っているカメラがあるなら

カメラを高く売りたい。

それは当然のことです。

大切にしていたものだからこそ、価値を認めてもらいたい。

私もそう思います。

だからこそ、ぜひご相談ください。

できること、できないことは当然ありますけど、全力で向き合います。

そしてもし、思い入れのあるカメラの売却を考えているのであれば。

一度だけ、考えてみてもらえたら嬉しいです。

「このカメラでもう一度、何ができるだろう。」

もしかしたら、そのカメラにしか撮れない一枚が、まだ残っているかもしれません。


同じような話をポッドキャストでもしています。

作業用や寝る前にでも、よければどうぞ。

Spotify Podcast「カメラ屋の頭のなか」

YouTube版はこちら(映像付き)


買い取りについてはこちら

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