自身のレンズの売却や、購入するにあたってカメラのコンディションの説明などを目にすることがあると思いますが、そのコンディションがどのようなものなのかを解説します!
レンズの描写への影響について
レンズには描写に様々な影響を及ぼすものがございます。
代表的なものとして
1 カビ
2 くもり
3 バルサム切れ
4 傷
5 接点不良など電気的な不具合
それぞれご説明します。
1 カビ
レンズの大敵と言えば「湿気」と言われています。
なぜかといえば、湿気によってカビが発生して光学性能が落ちてしまうことが懸念されるからです。
カビは目視で確認できることがほとんどで、レンズを絞り開放状態にして、片方からライトなどを当てて、片方から覗いてみると確認できます。
盛大に菌糸状に広がっているものから、ごく小さな点状のカビもありますが、いずれのカビも放っておくと広がっていき、レンズ表面だけでなくコーティングを侵食して取り切れない状態になってしまうため、こまめに清掃したり、カビが生えないように防湿庫か、乾燥剤と一緒に保管することが大切です。
別に詳しく書きますが、レンズは湿気だけに注意をすればいいというものではなく、ほこりや皮脂汚れなどの物質がカビの栄養となってしまうことが大切です。
2 くもり
レンズのトラブルとして多いものとしてくもりも挙げられます。
じつはレンズのくもりは厄介なもので、単純に冬の結露のようなものが原因ではなく、レンズを構成するガラスに含まれる物質の酸化が原因ともいわれています。
そのほかにレンズのヘリコイドグリスが揮発して曇らせてしまう場合もあるようです。
このくもりは回復可能なものかどうかは実際に拭いてみないとわからないため、くもりに気づいたら、はやめにクリーニングするか、専門業者に依頼して回復してもらうのが良いでしょう。
3 バルサム切れ
最近のレンズではあまり見られませんが、いわゆるオールドレンズと呼ばれる部類のレンズは、ガラス同士の貼り合わせ面に「バルサム」と呼ばれる接着剤を使用しているものが多く、このバルサムが劣化して貼り合わせ面に染み出してくる現象をいいます。
見た目には目立つものだと盛大な虹色の紋様として現出します。
レンズ内部の縁部に黄色い糊のようなものが見える場合もあります。
バルサム切れも描写に大きな影響がありますから、コンディションを落とす原因になります。
業者様によってはこのバルサムの貼り直し処理をしてくれる業者もございますので、あきらめずに相談してみてくださいね。
4 傷
これは言わずもがな、レンズの外観やレンズの表面についてしまう傷のことです。
ごくわずかなものであれば描写に影響はありませんが、大きなものになれば当然影響もでます。
小さな傷でも査定にはマイナスに働いてしまいますので、レンズの表面にはレンズプロテクトフィルターを付けて保護することが肝心です。
また傷に関しては、レンズを拭き上げる際につくこともあります。
専用以外のクリーニングペーパーを使用したり、目の粗い布などで拭いてしまうと、せっかく清掃したのにも関わらず傷をつけてしまうことになりますから注意が必要です。
5 接点不良など電気的な不良
時代は進んでカメラとの電気的な信号のやり取りのための接点が設けられたり、オートフォーカスを駆動するための機構など、レンズにも多くの電子部品が使用されることになり、この点の不良も注意が必要です。
多くはレンズ単体ではわからず、カメラに装着することで確認する必要があります。