8月1日、2日の二日間、北海道東川町で開催された「東川町国際写真フェスティバル」に、INHERIT CAMERAとして出展しました。
会場まで足を運んでくださった皆様、カメラやフィルムを手に取ってくださった皆様、そしてSNSなどを通じて応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
多くの方とカメラやフィルム、写真についてお話しすることができ、非常に充実した二日間となりました。
今回は、出展ブースや暗室見学、フィルム写真のワークショップの様子を振り返ります。

店頭在庫の約4割を東川町へ
イベント前日の7月31日、店舗からカメラやフィルムを積み込み、東川町へ向かいました。
今回持ち込んだのは、店頭在庫のおよそ4割。
モノクロフィルム、カラーフィルム、35mmフィルム、ブローニーフィルム、ロモグラフィー製品など、店頭で取り扱っているフィルムを幅広く用意しました。
カメラについても、職人による整備が完了した中古カメラを中心に、現状品やジャンク品までさまざまな商品を持ち込みました。
かなりの荷物になりましたが、INHERIT CAMERAが普段どのような商品を扱っているのか、多くの方に実際に見ていただくことができました。

整備済み中古カメラへの確かな反応
イベントでは、比較的価格の手頃な現状品やジャンク品が中心になるのではないかと考えていました。
しかし実際には、職人によってきちんと整備された中古カメラを手に取り、状態や操作感を評価してくださる方が多くいらっしゃいました。
「これ、めちゃくちゃいいですね」
そう言っていただける機会も多く、店として大きな自信につながりました。
中古カメラは、整備されていない個体であれば安く販売できる場合があります。
一方で、職人の手によって点検・整備され、保証が付いたカメラには、安心して使い始められるという価値があります。
価格だけではなく、カメラの状態や、その後も長く使い続けられることを評価していただけたのは、INHERIT CAMERAとして非常にうれしい出来事でした。
これからも、安心して撮影に使える中古カメラを届けることを大切にしていきます。
写真の町・東川町に根付く暗室文化
今回の出展では、東川町で暗室を運営している「Develo.」の皆様とご一緒させていただきました。
東川町は「写真の町」として、長年にわたり町全体で写真文化に取り組んでいます。
写真を撮ることや作品を見ることだけでなく、フィルムを現像し、暗室でプリントするところまで含めて、写真文化が町の中に根付いていることを感じました。
会場では、来場された方に暗室見学をご案内しました。
暗室に入ること自体が初めてという方も多く、赤いセーフライトや引き伸ばし機、現像用品を見て感動されている姿が印象に残っています。
デジタル写真が一般的になった現在、撮影した写真が印画紙に焼き付けられるまでの工程を見る機会は、決して多くありません。
実際の暗室を見てもらうだけでも、フィルム写真への理解や興味につながるのだと感じました。

撮影から現像、暗室プリントまでを一日で体験
二日目には、Develo.の皆様と写真家の長田さんにご協力いただき、フィルム写真のワークショップを開催しました。
内容は、東川町を歩きながらフィルムカメラで撮影し、その日のうちにフィルムを現像。最後に暗室でお気に入りの一枚を引き伸ばしプリントするというものです。
希望者には、フィルムカメラのレンタルも行いました。
参加者の皆様は朝9時半に集合し、フォトウォークへ出発。
撮影を終えたフィルムは、会場の販売ブース横で現像しました。
現像を始めた直後に多くのお客様がブースへ来てくださり、現像と接客を同時に進めるという慌ただしい状況になりましたが、長田さんや会場に来ていたお客様にも手伝っていただき、無事に作業を終えることができました。
現像されたネガの中からお気に入りの一枚を選び、最後は参加者自身の手で引き伸ばしプリントを制作しました。
撮影した写真がネガになり、暗室の中で印画紙に像として浮かび上がる。
フィルム写真の一連の工程を一日で体験した参加者の皆様には、とても喜んでいただけたと思います。

【フォトウォークの写真】

暗室と移動暗室の可能性
今回のワークショップを通して、フィルム写真の体験には、まだ大きな可能性があると感じました。
INHERIT CAMERAとしても、将来的には暗室を持ちたいと考えています。
また、店舗内だけではなく、機材をさまざまな場所へ持ち込み、撮影から現像、プリントまでを体験してもらう「移動暗室」のような取り組みにも関心があります。
カメラを販売するだけではなく、実際に写真を撮り、現像し、プリントとして完成させるところまで伝える。
それも、これからの中古カメラ店が担える役割の一つだと考えています。
カメラ店を続ける意味をあらためて考える
店舗を運営していると、楽しいことばかりではありません。
日々の店舗運営や売上、在庫、資金繰りなど、現実的に向き合わなければならない問題もあります。
その中で、カメラ店を続ける意味について考えることがあります。
今回、東川町で多くのお客様と接し、その答えをあらためて確認できたように思います。
お客様がカメラを手に取り、気に入って購入してくださる。
そして、そのカメラを使って新しい写真が撮影される。
一台の中古カメラが次の持ち主へ引き継がれ、再び写真を残していくことは、カメラ店を運営する上での大きな喜びです。
INHERIT CAMERAという店名に込めた「継承」という考え方も、まさにそこにあります。
また、カメラやフィルムの販売だけでなく、暗室見学やワークショップを通して写真文化を支えることは、これまで写真から多くのものを受け取ってきた私なりの恩返しでもあります。
北海道のフィルム写真文化を盛り上げるために
会場には北海道内だけでなく、本州や海外からも多くの方が来場していました。
フィルム写真やアナログ写真に対する熱量の高さを感じると同時に、北海道のフィルム写真文化も、さらに盛り上げていかなければならないと感じました。
東川町国際写真フェスティバルには、昨年に引き続き、今年も参加させていただきました。
また来年も写真の町・東川町へ呼んでいただけるよう、INHERIT CAMERAとしてできることを一つずつ続けていきます。
あらためまして、会場へお越しくださった皆様、イベント開催に関わった皆様、SNSなどで応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
ポッドキャストでもお話ししています
東川町国際写真フェスティバルでの二日間については、ポッドキャスト「カメラ屋の頭のなか」第20回でもお話ししています。
出展中の出来事や、現場で感じたことを音声でもお楽しみください。

