カメラにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴、得意な場面や苦手な場面があります。
今回はカメラの種類についていくつかご紹介します。
フィルムカメラの種類
一眼レフカメラ
一眼レフカメラはreflex(反射)の「レフ」が示す通り、シャッターの前にミラーが入っていて、レンズから入った上下左右反転した光をプリズム内で屈折させて、正像をファインダーに映し出すカメラのことです。
メリットとしては、上述の通り正像で被写体を見ることができ、パララックス(視差)がなく、正確なフレーミングができたり、ピントもファインダー内でピントが合っていく様子を見ながら合わせることができるという利点があります。
欠点といえば、ミラーがある分大きく、重くなってしまいがちという側面があります。
代表的な機種
Nikon F
Canon F-1
PENTAX SP
OLYMPUS OM-1
レンジファインダーカメラ
レンジファインダーカメラは、レンジファインダー(距離計)の名の通り、距離計を内蔵したカメラのことで、ファインダーのほかに距離計窓、採光窓が設置されていて、レンズのピントリングと連動する距離計を操作し、ファインダー内で「二重像」と呼ばれる像が重なったところでピント合わせをするという機構です。
特性としては、ボディ内にミラーがないことによってボディを薄く作ることができ、小型軽量にできることが特徴です。
欠点は、レンジファインダーという特性上、レンズで実際に写る範囲と、ファインダーで見えている範囲にパララックスが生じることが挙げられます。
カメラによってはピントリングに連動して撮影範囲を移動させるパララックス補正装置が搭載されているカメラもあります。
代表的な機種
Leica M
Contax IIa
Nikon SP
Canon model 7
コンパクトカメラ
コンパクトカメラの定義に関しては諸説ありますが、ここでは「レンズ交換のできないカメラ」を総称してコンパクトカメラと呼ぶことにいたします。
コンパクトカメラは一眼レフやレンジファインダーのようにマウントと呼ばれる接続部分を必要としないため、比較的小さく作ることができます。
それに、レンズとフィルム面が最適化されていることにより、機種によっては一眼レフなどいわゆる「プロっぽい」カメラよりも画質がいいことがままあるのです。
多くはレンズシャッターを採用していることも小ささを手伝っているでしょう。
欠点としてはやはりレンズ交換ができないことでしょうか。
基本的にはライトユーザー向けに作られていたこともあり、作りが簡素であったり中古市場では壊れている個体がみられることが多いです。
代表的な機種
CONTAX T2
OLYMPUS μ
Canonnet QL17 GIII
Nikon 35Ti
Rollei 35
二眼レフカメラ
二眼レフカメラはその名の通りレンズが上下に二つ並んだスタイルのカメラです。
レトロな外見が見た目にもかわいく、多くはウェストレベルファインダーを採用しており、撮影の際に上からのぞき込む所作がお辞儀のようだといわれたりします。
二眼レフの上のレンズがビューレンズ。
下のレンズはテイクレンズと呼ばれます。
シャッターとフィルム面はテイクレンズの側に設置されており、ビューレンズはミラーによる反射でカメラ上部のスクリーンに映し出すようになっており、実際の写真とは、被写体の距離が近いほどパララックスが生じることとなります。
代表的な機種
Rolleiflex 2.8F
MAMIYA C330 Professional
YASHCAFLEX
Minolta Autocord
その他フィルムカメラ
その他、たくさんのカメラがありますが、タイプとして分けるのであればほかに
大判カメラ
4×5インチや8×10インチなどのシートフィルムと呼ばれる大きなフィルムを使用するカメラのことで、とても高精細な画質を得ることができるものです。
蛇腹がついていてアオリと呼ばれるゆがみを補正する機能がついていたりして、とにかく昔から本格的な写真愛好家や、写真家、プロの商業カメラマンに愛用され、現在でもデジタルバックを使用して撮影が行われているなど、カメラの頂点と言える存在かと思います。
代表的な機種
Linhof Tchnica
WISTA 45
TACHIHARA
SINAR
TOYO FIELD 45A
中判カメラ
先ほどの二眼レフもこちらに含まれますが、ブローニーフィルムを使うカメラの総称です。
35mmカメラと同じく、一眼レフ、レンジファインダーなどもありますし、そのほかにはスプリングカメラと呼ばれる蛇腹を使うことによってコンパクトに収納されるものであったり、ボックスカメラと呼ばれるものであったりと、歴史も長い分たくさんのスタイルのカメラが存在します。
代表的な機種
HASSELBLAD 500C/M
MAMIYA RB67 Professional
PLAUBEL Makina 67
ほかにも127フィルムカメラや110フィルムカメラ、ミノックス版カメラ、APSカメラなど、長い歴史の中でたくさんのフィルムとカメラが開発され、ロストテクノロジーとなったものも多いですから、機会があればまたご紹介いたします。