写真を「作る」ということ|フィルム現像と暗室文化を次の世代へ

札幌市豊平区平岸の中古カメラ店、インヘリットカメラです。

先日、札幌市中央区の枯淡珈琲さんと一緒に、フォトウォークとモノクロフィルム現像のワークショップを開催しました。

午前中に集まって街を歩きながら撮影し、お店へ戻ってからフィルム現像について説明。

昼食やコーヒーを楽しみながら、最後は参加者の皆さん自身でモノクロフィルムを現像しました。

今回改めて感じたのは、

アナログ写真は、完成した写真だけではなく「写真ができるまでの過程」に大きな価値がある

ということでした。

目次

現像したフィルムを初めて見る瞬間

フィルム現像のワークショップで、毎回印象に残る瞬間があります。

現像、停止、定着、水洗とすべての処理を終え、現像タンクからリールを取り出す。

そして、フィルムをゆっくり引き出す。

そこに撮影した写真がネガとして並んでいるのを初めて確認した瞬間です。

今回も参加者の皆さんから、

「ちゃんと写ってる」

「自分でも現像してみたい」

といった声がありました。

デジタルカメラであれば、撮影した直後に背面モニターで写真を確認できます。

フィルムの場合はそうはいきません。

撮影したフィルムを現像するまで、結果は分からない。

だからこそ、初めて像を確認する瞬間には独特の感動があります。

フィルム現像を「知らない人」の方が多くなった

デジタルカメラが写真の中心になってから、すでに長い時間が経ちました。

以前であれば、自分でフィルム現像をした経験がなくても、

「写真屋さんでフィルムを現像する」

「暗室で写真を焼く」

ということを、何となく知っている人は多かったと思います。

学校に暗室があった。

家族がフィルムカメラを使っていた。

街に写真店や現像所があった。

そうした形で、社会の中にアナログ写真の記憶が残っていました。

しかし今では、フィルム現像や暗室そのものを知らない世代も増えています。

モノクロフィルムを自分で現像すること。

引き伸ばし機を使って印画紙へプリントすること。

そうした写真制作の方法は、知っている人から知らない人へ伝えていかなければ、少しずつ失われていきます。

カメラだけではなく、写真の技術も「継承」する

インヘリットカメラの「Inherit」には、

継承する

という意味があります。

中古カメラ店ですから、これまでは主に、

誰かが大切に使ってきたカメラを整備し、次の人へ渡す。

という意味で考えてきました。

しかし最近、フィルム現像や暗室に関わる機会が増え、

継承するものは、カメラという「物」だけではないのではないか

と思うようになりました。

フィルムの扱い方。

現像液の作り方。

時間や液温の管理。

暗室での引き伸ばし。

印画紙へ一枚の写真を作る方法。

こうした技術や経験も、誰かが次の世代へ渡していかなければ残りません。

フィルム現像のワークショップには、単に「現像を体験してもらう」以上の役割があるのだと思っています。

次は暗室で、引き伸ばしプリントまで

現在のフィルム現像ワークショップでは、撮影したモノクロフィルムを参加者自身で現像し、その後こちらでデータ化してお渡ししています。

ただ、本当はもう一歩先まで体験してもらいたいと思っています。

それが、

暗室での引き伸ばしプリントです。

自分で撮影したフィルムを現像する。

完成したネガを引き伸ばし機へセットする。

印画紙へ光を当てる。

そして現像液に入れた白い印画紙から、少しずつ写真が浮かび上がってくる。

撮影から現像、プリントまでを自分の手で行うことで、

「写真を撮った」

だけではなく、

「一枚の写真を作った」

という体験になります。

インヘリットカメラでは現在、札幌で暗室を開設する計画も進めています。

まだ場所は決まっていませんが、実現すればモノクロフィルム現像だけでなく、引き伸ばしプリントのワークショップや、貸し暗室として利用できる環境も作りたいと考えています。

デジタルカメラが成熟した先にあるもの

先日、店に来てくださったカメラマンの方とも、最近のデジタルカメラについて話をしました。

現在のデジタルカメラは、本当に高性能です。

オートフォーカス。

高感度性能。

手ブレ補正。

連写性能。

解像力。

数年前のモデルであっても、写真を撮るという目的において十分すぎるほどの性能を持っています。

もちろん、これからもデジタルカメラは進歩していくでしょう。

ただ、カメラとしてできること自体は、かなり成熟してきたようにも感じます。

そうなったとき、写真を撮る人にとって次に重要になるのは、

「自分の写真に、どんな価値を持たせるか」

ということではないでしょうか。

「撮った写真」から「作った写真」へ

そこで、アナログ写真が改めて評価される可能性があると思っています。

フィルムカメラで撮影する。

自分でフィルムを現像する。

暗室で引き伸ばす。

そして最後に、一枚の印画紙という物質として写真を残す。

写真が出来上がるまでのすべての工程に、自分自身が関わります。

もちろん、デジタル写真でもプリントはできます。

デジタルとフィルムのどちらが優れているという話でもありません。

ただ、

自分の手で写真を完成させる

という体験には、デジタルとは違った価値があります。

シャッターを切った時点で終わるのではない。

そこから現像し、プリントし、一枚の写真として完成させる。

言い換えれば、

「撮った写真」ではなく「作った写真」。

そこに、これからのアナログ写真の価値の一つがあるのではないかと思っています。

写真が完成するまでの時間も、写真の一部

フィルム写真には時間がかかります。

フィルムを選ぶ。

カメラに装填する。

一枚ずつ撮影する。

撮り終わったフィルムを取り出す。

暗い場所でリールへ巻く。

現像液を作る。

現像時間と液温を管理する。

定着し、水洗し、乾燥させる。

ネガを確認する。

暗室で露光時間を決める。

必要であれば覆い焼きや焼き込みをする。

印画紙を現像して、水洗し、乾燥させる。

効率だけで考えれば、非常に不便です。

しかし、その時間すべてを含めて、

写真を作っている

とも言えます。

何でも短時間で結果を得られるようになった今だからこそ、時間をかけて一枚の写真を完成させる体験には、逆に新しい価値が生まれてくるのかもしれません。

私自身も、まだ勉強している途中です

インヘリットカメラがフィルム現像や暗室について、すべてを熟知しているわけではありません。

私自身も、まだまだ学んでいる途中です。

試してみたい現像方法もあります。

引き伸ばしプリントについても、もっと経験を積みたいと思っています。

ただ、アナログ写真の技術を知る人が少なくなっていくのであれば、

今学べる人間が学ぶ。

そして、自分が知ったことを次の人へ渡していく。

それを続けていくことにも意味があると思っています。

アナログ写真を次の世代へ

最近は、高校生にモノクロフィルム現像を教える機会もありました。

今回のワークショップでも、初めて自分でフィルムを現像した方がいました。

そうした人たちが、

「面白い」

「またやってみたい」

と思ってくれる。

その中の誰かが、また別の人にフィルム写真を伝える。

そうやって少しずつ続いていけば、アナログ写真の文化は残していけます。

昔のように、誰もがフィルムカメラを使う時代へ戻る必要はありません。

ただ、

フィルムを使ってみたいと思った人がフィルムを買える。

自分で現像してみたい人が体験できる。

暗室でプリントしてみたい人が、それを学べる。

そうした環境は残したいと思っています。

カメラを売るだけではなく、

写真が生まれるまでの文化そのものを次へ渡していく。

「Inherit」という名前をつけた店として、これから取り組んでいきたいことが少しずつ明確になってきました。

フィルム現像・暗室ワークショップについて

インヘリットカメラでは、モノクロフィルム現像のワークショップを開催しています。

開催場所や設備などの条件が合えば、店舗外へ伺って開催することも可能です。

学校、カフェ、店舗、団体、イベントなどで、

「フィルムを自分で現像してみたい」

「モノクロフィルム現像のワークショップを開催したい」

「暗室や引き伸ばしプリントを体験してみたい」

といったご希望がありましたら、お気軽にご相談ください。

INHERIT CAMERA|インヘリットカメラ

札幌市豊平区平岸にある中古カメラ店です。

中古フィルムカメラ・デジタルカメラ・交換レンズの販売・買取、フィルム販売、現像受付などを行っています。

カメラの査定を依頼する

当店のLINEアカウントのQRコードを読み取るかバナー画像をタップしていただき、『インヘリットカメラ』のLINEアカウントを友達登録後、お売りしたいカメラやカメラレンズの画像を送っていただくことで査定が可能です。画像が多いほど(全体、付属品、ダメージ箇所、汚れ箇所、)・動作に不具合があるのかないのか査定金額がより正確になります。ぜひお気軽にLINE査定をご利用ください。

ACCESS

インヘリットカメラの場所

インヘリットカメラ内観
インヘリットカメラ外観
インヘリットカメラ内観2

カメラの買取方法は2つ

店頭にカメラをお持ち込みしてその場で現金買取!
出張買取でお客様のご自宅へカメラを買取にお伺いします

カメラの店頭買取

店頭買取では、直接店頭へお持ち込みをして、その場で即現金買取をいたします。売りたいカメラをお持ち込みする際に身分証明書が1点必要となりますのでご持参をお忘れないようにお願い申し上げます。

カメラの出張買取

カメラの出張買取は店頭に持ち込みせず自宅に当店スタッフがお伺いしてその場で即現金買取いたします。売りたいカメラを出張買取でご利用する際は、買取成約時に身分証明書が1点必要となりますのでご用意のほど、お願い申し上げます。

免許証・マイナンバーカード・保険証・パスポート・学生証・社員証・年金手帳・外国人登録証等。
※ポイントカード、バスカード、公共料金領収証などは身分証明にはなりませんのでご注意くださいませ。
※上記以外の身分証明書をご利用されたい場合は事前にお問合せください。

カメラの買取カテゴリー

買取対応カメラメーカー

Nikon(ニコン)のカメラ買取
Canon(キヤノン)のカメラ買取
OLYMPUS(オリンパス)のカメラ買取
RICOH(リコー)のカメラ買取
PENTAX(ペンタックス)のカメラ買取
LEICA(ライカ)のカメラ買取
HASSELBLAD(ハッセルブラッド)のカメラ買取
ROLLEI(ローライ)のカメラ買取
Carl Zeiss(カールツァイス)のカメラ買取
Panasonic(パナソニック)のカメラ買取
MAMIYA(マミヤ)のカメラ買取
Zenza Bronica(ゼンザブロニカ)のカメラ買取
Konica(コニカ)のカメラ買取
MINOLTA(ミノルタ)のカメラ買取
Linhof(リンホフ)のカメラ買取
CONTAX/Contax(コンタックス)のカメラ買取
SIGMA(シグマ)のカメラ買取
FUJIFILM(フジフイルム)のカメラ買取
SONY(ソニー)のカメラ買取
Voightlander(フォクトレンダー)のカメラ買取
TAMRON(タムロン)のカメラレンズ買取
Schneider Kreuznach(シュナイダークロイツナッハ)のカメラレンズ買取

その他にもPHASE ONE(フェーズワン)・Tokina(トキナー)・GoPro(ゴープロ)なども買取しております。お気軽にお問合せください。

インヘリットカメラ横ロゴ

札幌でカメラ買取・販売「インヘリットカメラ」

よかったらシェアしてね!
目次