フィルムとデジタルを比べるな|フィルム現像体験から考えた写真の魅力

今回は

「フィルムとデジタルを比べるな」

です。

もちろん、デジタルカメラを否定したいわけではありません。

デジタルカメラには、手軽さ、高性能さ、撮影後すぐに写真を確認できる便利さがあります。

一方、フィルムカメラには、撮影から現像、プリントまでを含めた、デジタル写真とは異なる体験があります。

どちらが優れているかではなく、そもそも同じ基準だけで比べるものではないのではないか。

フィルム現像のワークショップを通して、改めてそう感じました。

目次

フォトウォークとフィルム現像ワークショップを開催しました

先日、フォトウォークとモノクロフィルム現像のワークショップを開催しました。

夕暮れ前に集合し、約1時間から1時間半ほど街を歩きながら撮影。

参加者の中には、フィルムカメラを使用する方もいれば、デジタルカメラで参加する方もいました。

撮影後は会場へ戻り、撮影したモノクロフィルムを現像しました。

ワークショップ参加者のフィルムに加え、私やほかの参加者が持参したフィルムも含め、合計4本ほどを現像。

デジタルカメラで参加した方にも、フィルムが現像される工程を見てもらいました。

実際に現像作業を見た方からは、

「思っていたより簡単ですね」

という声もありました。

フィルム現像は専門的で難しそうに見えますが、基本的な手順を覚えれば、自宅でも取り組むことができます。

もちろん、薬品の選択、現像時間、液温、攪拌方法など、突き詰めれば非常に奥深い世界です。

ただ、最初の一歩として自分で現像してみることは、想像しているほど難しいものではありません。

フィルムとデジタルは写真が完成するまでの体験が違う

今回のワークショップで改めて感じたのは、フィルムとデジタルでは、写真が完成するまでの体験が根本的に異なるということです。

デジタル写真も決して簡単なものではありません。

撮影後にはRAW現像や画像編集があり、写真データを保管するストレージも必要です。

高性能なカメラ、交換レンズ、パソコン、モニター、記録メディアなど、環境を整えるには相応の費用がかかります。

デジタルだから簡単で、フィルムだから難しいという話ではありません。

どちらも、突き詰めれば非常に奥深いものです。

ただし、フィルム写真には、フィルムでしか得られない体験があります。

撮影結果がすぐに分からないということ

フィルムカメラを始めるとき、多くの人が不安に感じるのが、撮影した写真をその場で確認できないことです。

きちんと写っているのか。

露出は合っているのか。

ピントは外れていないか。

現像で失敗していないか。

フィルムが現像されるまで、結果は分かりません。

これは、フィルム写真の不便さであり、怖さでもあります。

しかし、経験を積んでいくことで、露出や光の状態から、ある程度の仕上がりを想像できるようになります。

それでも、予想していなかった失敗は起こります。

露出を間違えたり、光線漏れが起きたり、現像が思ったような結果にならなかったりすることもあります。

フィルム写真では、そうした失敗も含めて受け入れなければなりません。

うまく撮れなかった写真も、そのとき自分が撮影した写真であることに変わりはありません。

なぜ失敗したのかを考え、次の撮影につなげていく。

その積み重ねも、フィルム写真の魅力の一つだと思います。

手と身体を使って写真を作る

モノクロフィルムの現像では、まず暗袋や暗室の中で、フィルムをパトローネから取り出します。

光のない状態でフィルムを手探りでリールに巻き、現像タンクへ入れます。

その後、現像液、停止液、定着液を順番に入れ、液温や時間を管理しながら処理します。

すべての工程が終わり、現像タンクを開ける。

そして、リールからフィルムを引き出す。

撮影した画像がネガとして現れているのを初めて確認する瞬間には、独特の緊張感と高揚感があります。

暗袋の中でフィルムを巻く手の感覚。

現像タンクを攪拌する動作。

現像液や定着液の匂い。

濡れたフィルムに画像が浮かび上がっているのを確認する瞬間。

フィルム写真は、撮影後も手や身体を使って写真を作っていきます。

デジタル写真の撮影後の作業は、パソコンやスマートフォンの画面上で完結することが多くなります。

どちらが優れているということではありません。

ただ、写真が完成するまでの体験は、大きく異なります。

フィルム写真の魅力は性能だけでは説明できない

現代のデジタルカメラは、非常に高性能です。

高感度性能、オートフォーカス、連写、手ブレ補正、解像力など、長年の技術開発によって大きく進化してきました。

デジタルカメラは、まさに技術の結晶です。

一方、フィルムカメラは、デジタルカメラと比べれば不便な部分があります。

撮影枚数には限りがあり、その場で写真を確認することもできません。

フィルム代や現像代もかかります。

それでもフィルムを使う人がいるのは、不便さを我慢しているからではありません。

その撮影方法や写真が完成するまでの過程に、時間や費用をかける価値を感じているからです。

デジタル写真でも、新しいカメラやレンズ、パソコン、記録メディア、ストレージなどを揃えれば、当然コストはかかります。

結局のところ、どちらにお金がかかるかという話ではありません。

自分が何に価値を感じ、何に時間や費用を使いたいのか。

その違いなのだと思います。

体験していないものを否定しない

フィルムカメラを使っている人に対して、

「なぜそんな不便なものを使うのか」

「デジタルのほうがきれいに撮れる」

「フィルム代や現像代がもったいない」

と言う人もいます。

そのように感じること自体は自由です。

ただ、実際に体験したことがないのであれば、否定する前に一度立ち止まってもらえたらと思います。

自分が知らないだけで、そこには本人にしか分からない楽しさや感動があるかもしれません。

一度フィルムカメラを使ってみる。

自分でフィルムを現像してみる。

暗室で印画紙に写真が浮かび上がる瞬間を見てみる。

そのうえで、自分には合わないと思うのであれば、それで構いません。

人は人、自分は自分です。

それぞれが、自分に合った方法で写真を楽しめばよいのだと思います。

写真店や中古カメラ店が存在する意味

今回のワークショップを通して、もう一つ強く感じたことがあります。

それは、写真やカメラに実際に触れられる場所の重要性です。

かつては、街の中に写真店、現像所、中古カメラ店が数多くありました。

そこへ行けば、実際にカメラを手に取ることができ、フィルムを購入し、現像を依頼し、写真について相談することができました。

そうした場所が身近にあることは、本当はとても贅沢なことだったのだと思います。

写真店や現像所がなくなれば、単に商品を購入する場所が減るだけではありません。

本来であればフィルム写真に興味を持つはずだった人に、その入口が届かなくなる可能性があります。

今回、デジタルカメラで参加した方がフィルム現像の工程を見て、

「フィルムをやってみたい」

と言ってくれました。

もし目の前で現像を見る機会がなければ、フィルム写真に興味を持たなかったかもしれません。

実際にカメラを触り、現像を見ることのできる場所があるからこそ、新しい興味が生まれます。

中古カメラ店や写真店には、商品を販売するだけではなく、写真文化への入口を作る役割もあるのだと思います。

インヘリットカメラの「Inherit」に込めた意味

インヘリットカメラの「Inherit」には、継承するという意味があります。

自分が好きだったカメラや写真文化を、次の人にも知ってもらう。

すべての人にフィルム写真を好きになってもらう必要はありません。

少し興味を持ってもらう。

一度フィルムカメラに触れてもらう。

その中から、フィルム写真を続けてくれる人が少しずつ増えていく。

そうすることで、フィルムカメラやアナログ写真の文化を次の世代へつないでいけるのではないかと考えています。

フィルム写真が、今後再び大きく発展するかは分かりません。

しかし、札幌でもフィルムカメラ、暗室、現像に興味を持つ人は確実に存在します。

実際に触れられる場所や、相談できる店を残していくことには意味があります。

なくなってから惜しむのではなく、今あるうちにできることをする。

中古カメラ店を続けること。

フィルムカメラを販売すること。

現像や暗室のワークショップを開催すること。

それらも、写真文化を継承するための一つの方法だと思っています。

今回のフィルム現像ワークショップを通して、改めて、この店を続けていかなければならないと感じました。

フィルムとデジタル、それぞれの写真を楽しむ

「フィルムとデジタルを比べるな」と言いながら、結局かなり比べてしまいました。

ただ、伝えたいことは単純です。

デジタルには、デジタルの素晴らしさがあります。

フィルムには、フィルムにしかない体験と感動があります。

どちらか一方を否定する必要はありません。

自分が好きな方法で、自分が価値を感じる写真を続ければよいのだと思います。

少しでもフィルムカメラに興味がある方は、ぜひ一度実際に触ってみてください。

インヘリットカメラの店頭では、さまざまな中古フィルムカメラや交換レンズを取り扱っています。

フィルムカメラの選び方、使い方、フィルム現像について分からないことがありましたら、店頭またはSNSのDMからご相談ください。

東川町フォトフェスティバル出展のお知らせ

8月1日・2日に北海道上川郡東川町で開催される東川町国際写真フェスティバルに、インヘリットカメラも出展します。

会場では、中古カメラやフィルムの販売を行います。

8月2日には、撮影からモノクロフィルム現像、暗室での引き伸ばしプリントまでを1日で体験できるワークショップも開催されます。

フィルム写真や暗室に興味がある方は、ぜひお立ち寄りください。

カメラの査定を依頼する

当店のLINEアカウントのQRコードを読み取るかバナー画像をタップしていただき、『インヘリットカメラ』のLINEアカウントを友達登録後、お売りしたいカメラやカメラレンズの画像を送っていただくことで査定が可能です。画像が多いほど(全体、付属品、ダメージ箇所、汚れ箇所、)・動作に不具合があるのかないのか査定金額がより正確になります。ぜひお気軽にLINE査定をご利用ください。

ACCESS

インヘリットカメラの場所

インヘリットカメラ内観
インヘリットカメラ外観
インヘリットカメラ内観2

カメラの買取方法は2つ

店頭にカメラをお持ち込みしてその場で現金買取!
出張買取でお客様のご自宅へカメラを買取にお伺いします

カメラの店頭買取

店頭買取では、直接店頭へお持ち込みをして、その場で即現金買取をいたします。売りたいカメラをお持ち込みする際に身分証明書が1点必要となりますのでご持参をお忘れないようにお願い申し上げます。

カメラの出張買取

カメラの出張買取は店頭に持ち込みせず自宅に当店スタッフがお伺いしてその場で即現金買取いたします。売りたいカメラを出張買取でご利用する際は、買取成約時に身分証明書が1点必要となりますのでご用意のほど、お願い申し上げます。

免許証・マイナンバーカード・保険証・パスポート・学生証・社員証・年金手帳・外国人登録証等。
※ポイントカード、バスカード、公共料金領収証などは身分証明にはなりませんのでご注意くださいませ。
※上記以外の身分証明書をご利用されたい場合は事前にお問合せください。

カメラの買取カテゴリー

買取対応カメラメーカー

Nikon(ニコン)のカメラ買取
Canon(キヤノン)のカメラ買取
OLYMPUS(オリンパス)のカメラ買取
RICOH(リコー)のカメラ買取
PENTAX(ペンタックス)のカメラ買取
LEICA(ライカ)のカメラ買取
HASSELBLAD(ハッセルブラッド)のカメラ買取
ROLLEI(ローライ)のカメラ買取
Carl Zeiss(カールツァイス)のカメラ買取
Panasonic(パナソニック)のカメラ買取
MAMIYA(マミヤ)のカメラ買取
Zenza Bronica(ゼンザブロニカ)のカメラ買取
Konica(コニカ)のカメラ買取
MINOLTA(ミノルタ)のカメラ買取
Linhof(リンホフ)のカメラ買取
CONTAX/Contax(コンタックス)のカメラ買取
SIGMA(シグマ)のカメラ買取
FUJIFILM(フジフイルム)のカメラ買取
SONY(ソニー)のカメラ買取
Voightlander(フォクトレンダー)のカメラ買取
TAMRON(タムロン)のカメラレンズ買取
Schneider Kreuznach(シュナイダークロイツナッハ)のカメラレンズ買取

その他にもPHASE ONE(フェーズワン)・Tokina(トキナー)・GoPro(ゴープロ)なども買取しております。お気軽にお問合せください。

インヘリットカメラ横ロゴ

札幌でカメラ買取・販売「インヘリットカメラ」

よかったらシェアしてね!
目次