この秋にKodakから新発売となったKODACOLOR100、200、当店でも少数ですが入荷があり、さっそく試写して同種フィルムとも比較をしてみましたので、ご覧ください!
KODACOLOR100、200とは?
以下はKodak公式Instagramより引用です。
フィルム需要の高まりに応えるため、コダックは、KODACOLOR 100とKODACOLOR 200のカラーネガフィルムを135フォーマットのロールで発売することを発表しました。 10年以上ぶりに、コダックはこれらのフィルムを直接販売店に販売し、供給を増やし、価格が変動する市場での安定性を高めることを目指します。 これらのフィルムは、既存のコダックフィルムのサブブランドであり、コダックが提供する高品質と同じものです。
フィルム需要が少しずづ高まっていることを感じる新製品です。
特徴は公式サイトによると
KODACOLOR100
KODACOLOR 100は、低感度のデイライトバランスカラーネガフィルムです。粒子が細かく、色彩が豊かで、シャープネスが高く、露出ラチチュードが広く、色再現性が安定しているため、一般的な写真撮影に適しています。感度100のこのフィルムは、明るいシーンでも優れた性能を発揮しながら、シャドウ部のディテールも良好に再現します。
KODACOLOR200
KODACOLOR 200は、中感度のデイライトバランスカラーネガフィルムです。粒子が細かく、色彩が豊かで、シャープネスが高く、露出ラチチュードが広く、色再現性が安定しており、一般的な写真撮影に適しています。
どちらも似たようなことが書いてありましたがシャドウ部の~の下りが200にはないことが気になりますね。
既存フィルムとの差異は?
既存フィルムとの差異については特段の言及は公式サイトではありませんが、同種フィルムとしては
ISO 100はEKTAR100、Proimage100
ISO200はGOLD200、COLORPLUS200
が挙げられるかと思います。
ISO100シリーズの比較
まずはISO100フィルムのフィルムベース外観上の比較です。


並べてみるとKODACOLORおよびProimageと、EKTARは明らかに違うことがわかります。
実写での比較はKODACOLORとProimageで行うこととします。
ISO200シリーズの比較
続いてISO200シリーズの外観上の比較です。


光源が悪く見づらいですが、ベース面はほぼ変わりませんでした。
GOLDとCOLORPLUSは乳剤面もほぼ同じ色をしていて、右の画像の通りKODACOLORとGOLDは乳剤面の色に違いが見られました。
比較についてはKODACOLORとGOLDで行うこととします。
実写比較
続いて実写比較です。使用機材についてはすべて
Leica M3
SUMMILUX 50mm F1.4 1st後期
にて行い、ほぼ同時刻同場所同EVで撮影しました。
ただ実際の光のまわり方などにも左右されていますので厳密な比較とはならない点についてはご了承くださいませ。
以下は筆者の主観を交えたものとなりますので、あくまでも参考までにご覧くださいますと幸いです。
KODACOLOR100とProimage100の比較


KODACOLORの方が発色がよく、彩度が高くなっている印象を受けます。粒状感についてはどちらも優秀で、価格帯を考えてもどちらを選んでも後悔はしないように思います。


陰影のコントラストが目立つ場所を選んで撮影しました。
どちらもシャドーからハイライトまで滑らかに推移しているように感じます。
どちらかというとProimage100の方がシャドー部が持ち上がって、ハイライトはやや飛び気味に見えます。
これを見る限りではシャドーに強いのはProimage100、ハイライトに強いのがKODACOLOR100といった感じでしょうか。


KODACOLOR100はおそらく一段オーバー、Proimage100は適正の画像です。


こちらもコントラストが際立つ場面です。
撮影したときの印象に近いのはProimage100の方かなという感じです。やはりシャドーはProimage100の方が粘っているように感じます。


空の色はコダカラ―の方がやや大げさに見えますが、こってりした描写が好きな人には好まれるでしょう。
総じてあっさりめでシャドーの表現がいいProimage100、こってりでハイライトまで美しいコダカラ―といった趣ですね!
せっかくなのでKODACOLOR100だけの作例をいくつか載せておきます。





KODACOLOR200とGOLD200の比較


続いて200シリーズの比較です。
結論から言ってしまうとこの比較でもコダカラ―の方が彩度高くこってりしたものになっていることをご理解ください。
GOLDと比べて粒状性も劣っておりません。


雲から太陽が顔を出す瞬間の描写です。
空の色がKODACOLOR200の方が濃く出ています。コントラストが付きやすいのでしょうか。
ゴールドの描写も悪いというわけではなく、この逆光での淡い描写が好きな方ももちろんいるでしょう。ちょっとハレーションが出やすいのかなという印象もありますが、厳密に全く同じ光源の向きではありませんのでその点はまだ要検証です。


足元のコンクリートを撮影。
GOLDの方が暖色に振れる印象があります。


空を背景に撮影。これも光源の方向が違うので純粋に比較はできませんが、色濃く、ハイライトもなだらかに描写しているのはKODACOLOR200かなという印象です。


こちらを見ても、コントラスト、彩度ともにKODACOLOR200は高く見えます。
ただこの比較だとKODACOLOR200の方が暖色に振れているようにも見えます。光源の方向によってやや色味に変化が出るのでしょうか?
GOLDは安定しているように思います。
100と同じく、以下に200のみの作例も載せていきます。





おわりに
いかがでしたでしょうか!
総じて彩度やコントラストが既存フィルムよりもやや高く、発色が良くてこってりした描写が好みの方には刺さるフィルムかなと思います!
この先安定して供給されればフィルムの選択肢として非常に強力なものになっていくと思います。
おそらくですが、既存のフィルムの巻きなおし、というわけではなく純粋に新フィルムとして現れたのではないかと推測しています。
(KODACOLOR200と新フジ200については非常に似ているとのことで、この点については当店では未検証です!)
この時代に現れた新作フィルム!ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。

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