休日を利用して、洞爺湖へ大判カメラを持って撮影に行ってきました。
撮影の様子を動画で記録しながら、「なぜ今、大判カメラで撮るのか」ということを改めて考えていました。
大判カメラは、とても手間がかかります。
撮る場所を探し、三脚を立て、カメラを組み立て、ピントを合わせ、露出を測り、シャッター速度と絞りを決める。フィルムホルダーを差し込み、遮光板を抜いて、ようやく一枚の写真を撮ることができます。
便利とは、とても言えません。
それでも私は、この時間が好きです。
この日、洞爺湖にはお昼過ぎから夕方まで、およそ4時間いました。
その間に切ったシャッターは、大判で2枚、チェキで1枚、35mmでも数枚。全部合わせても10枚には届きません。
「それだけしか撮らなかったの?」
そう思われるかもしれません。
でも、私にとってはその時間こそが大切でした。
椅子を出して湖を眺めたり、雲が流れるのを待ったり、風の音を聞いたり。
写真を撮っていない時間も、被写体と向き合う時間だからです。

デジタルカメラは本当に便利です。
何百枚、何千枚と撮ることができ、その場ですぐ確認もできます。私も普段から使っていますし、素晴らしい道具だと思います。
ただ、その便利さゆえに、気付くとファインダーばかり見てしまうことがあります。
一方でフィルムカメラは、撮れる枚数に限りがあります。
だからこそ、一枚を撮る前に景色をよく見る。
シャッターを切るまでの時間が自然と長くなるのです。
面白いのは、フィルム写真をあとから見返すと、その一枚だけではなく、その前後の出来事まで思い出せることです。
あの日は風が少し冷たかった。
湖面が静かだった。
雲がゆっくり流れていた。
何を考えながらシャッターを切ったのか。
そんな記憶まで一緒によみがえります。
きっと、カメラではなく、自分の目で景色を見ていた時間が長かったからなのでしょう。
写真は、シャッターを切った瞬間だけでできているわけではありません。
その前に景色を眺めていた時間も、その後に余韻を味わっていた時間も、一枚の写真の中に確かに残っている。
私はそんなふうに思っています。
だから今でも、手間のかかるフィルムカメラを使い続けています。
不便だからこそ得られる時間がある。
その時間こそが、写真の一部なのだと感じているからです。
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